院長のコラム

これもアベノミクス?

何が起こっているのだろう?

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夕刻、食事をしながらテレビでニュースを見ていたら、「現在の景気はどうですか?」の意識調査が報告されていた。「いい」の答えが2~3割、「少しいい」も合わせると半分以上の人たちが、景気がよくなりつつあることを感じているようだ。民主党政権時代にはなかったことである。

景気がよくなっていることを、最近、僕も実感した。ある日の週末、車の定期点検と時計のベルト交換のため、和歌山市へ車を走らせた。
最初に立ち寄ったレクサスは、いつもと風景が異なっていた。いつもなら駐車場に停まっている車は、レクサスや日本の高級車もしくは欧州車だが、今回は比較的年数の経た中型国産車で玄関前の駐車場は満杯であった。しかも、商談ブースも一杯であった。
次に訪れた時計店も同様で、駐車場はほぼ一杯だった。ちょうどロレックスフェアーが開催されていたようだが、店内は世代関係なくたくさんの人が来ていた。身なりや置かれていた車を見る限り、富裕層といわれる人達ばかりだけではなかったように思った。よく訪れるショップで見た、かつて見たことのない光景。アベノミクスという実体の無い雰囲気が浸透してきているのだろうか。

当院は、開院して今年で七年になる。新規開業でゼロからのスタートなので、毎月毎年、右肩上がりで患者数・検査件数は増えて行った。しかし、ある時期を境に伸び悩むようになった。その時期というのは、2011年4月である。東日本大震災以降、患者数・検査件数ともに対前年度を割るようになった。それは当院だけでなく、出張病院の依頼検査数も同様であった。時間と労力をかける割に検査件数が少なかったので、昨年から毎週水曜日午後の出張を止めた。
昨年は、一昨年より増えたものの2010年には及ばなかった。栄枯盛衰、盛者必衰と言葉があるように、「当院のピークは開院4年目で、あとは現状維持か坂を下っていくだけ。」と、経営者である冷静な自分が、はやる自身に言い聞かせた。
しかし、昨年末から状況が一変した。検査件数・患者数ともに、対前年度を上回るようになった。奇しくも、安倍政権が誕生する前後に一致する。今年になってからは、月別の最高検査件数を毎月更新している。検査による心身の疲労が著しいため、この夏から製薬会社担当との面会を原則しないことにしたほどである。

一体何が起こっているのだろう。口コミや評判だけで説明するなら、一旦減った患者数を説明できない。大震災よって生じた雰囲気、民主党政権下での閉塞感、アベノミクスがもたらしたムード、得体のしれない空気がここ数年で変わりつつあることを、日常業務を通して感じている今日このごろである。
当クリニックは気分に左右されているが、気分に左右されないのが毎年増え続けて行く国民医療費である。「景気が良くなれば何とかなるだろう」「論議を尽くすためにもうちょっと先に伸ばしては、」といった雰囲気はもう終わりである。衆参のねじれが解消された現在、早急に真剣に取り組まなければならない国民的課題の一つである。すべての世代が均等公平に負担できる制度設計をお願いしたいものである。

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