院長のコラム

ごめんね、青春!

ぬるま湯の中の私

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僕の感性は一般受けしないのか、はたまた大人になっていないのか、どうも周囲と噛み合わない。別に合わせようとしていないので構わないが、自分にとって最高のものが評価されないのは芳しくない。今期もっともはまったドラマ「ごめんね 青春!」がいよいよ最終回を迎える。

僕の好きなドラマの一つに「木更津キャッツアイ」がある。リアルタイムで観ていた訳ではなく、偶然休みの日にチャンネルを回していたら再放送が流れていた。今をときめくV6の岡田准一に嵐の櫻井翔、その他個性あふれる俳優たちが学生のりでワイワイガヤガヤ楽しんでいる姿が画面から溢れでていた。一見騒がしそうだが、思わず笑いが漏れるひねりの利いた台詞、思わずじんと来る泣けるセリフ。野球に見立てて1回表から9回裏へと進む物語が、途中でフラッシュバックして因果を教えてくれる斬新な進行が新鮮だった。あまりに面白かったので、レンタルビデオ屋に借りに行ったがいつも貸出中だった。
感情移入できるドラマは数々あれど、純粋に面白いと思った初めてのドラマであった。妻に馬鹿にされながらも「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」を映画館に観に行ったほどである。以来、宮藤官九郎脚本のドラマは意識的に見るようにしている。

今回の「ごめんね 青春!」は、磯山晶プロデューサーとの久しぶりの黄金タッグである。キャラの立つ登場人物の数々、笑いあり涙ありの練られた台詞、伏線があちこちに散りばめられたドラマ進行、期待に違わないクドカンワールド満載の作品である。面白いだけではなく哲学的でもある。男と女の差、親と子の差、宗教の差、それらを乗り越えて互いに認め合うことの寛容性をも示唆している。クドカンの懐の深さを再認識させられた。自分自身が十二分に楽しんでいるので、掲示板等の他人の評価は全く見ないようにしている。
しかし、我が家以外の他人と「ごめんね 青春!」で盛り上がることはない。ポータルサイトの記事では、「『ごめんね 青春!』視聴率2桁を切る」などの悪意に満ちたものも散見される。同じ時間帯に放送された「半沢直樹」よりも作り手の姿勢がひしひしと伝わってくるドラマだけに、視聴率だけで評価されるのは残念無念である。ご本人も視聴率のことは気にしているようである。「視聴率なんて気にしないでください。いつまでもクドカンのままでいてください。」と応援したいところだが、脚本の何たるかも理解していない素人が言っても宮藤さんの心には響かないだろう。

翻って、医業における自分の姿勢はどうだろうか。開業医に視聴率、占有率など自己を客観的に評価できる物差しはない。以前は、長者番付が公表されていたので儲かっているかどうかの目安はついた。しかし、現在は公表されていない。例え公表されたとしても医療法人と個人では収入が異なるので、支払う税金がそのまま流行っている医院にはならない。食べログのような医療版の口コミサイトもあるにはあるが、投稿者が特定されるおそれが高いためか、もしくは場合によっては威力営業妨害に当たるのか、評価されているのを見たことがない。
僕はある意味、評価に曝されないぬるま湯に生きているのかもしれない。そのことを踏まえた上で、宮藤官九郎さんのようにブレずに真摯にそれでいて遊び心を持って取り組んで行こう、と心新たにした師走の週末である。

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