院長のコラム

人が集うこと。

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二月十九日が開院記念日である。例年その記念日に、クリニックスタッフ、門前薬局スタッフ、製薬卸、医療機器卸、血液検査会社等、十五名程度で慰労も兼ねた食事会を開催している。今年は、二月十九日が日曜日なので十七日の金曜日に行った。今回は節目の十周年である。整骨院スタッフと介護事業所の管理者に参加を呼びかけ、知人や友人に声をかけたらあっという間に三十数名にのぼった。

三十数名が一同に介して、他の客に気兼ねなく楽しめる食事処はそうそうない。よく会合で使用する居酒屋が最近離れを設けた。渡りに船とばかり、今回は迷うことなくそこを選択した。当時開院に参画してくれた、現アルフレッサ支店長の乾杯の挨拶で会は始まった。日頃から知った仲間の食事会なので、直ぐにいつものワイワイガヤガヤな飲み会になった。昨年と異なり、司会進行をクリニックスタッフに任せたので寛いで飲めた。途中、新採用の看護職員の挨拶あり、開院以来勤め上げてくれた受付スタッフへの謝恩もあり、いつの間にか記念会が歓送迎会の様相を呈した。会の進行を気にすること無く飲んだのが災いした。最後の院長の挨拶の頃には空腹にアルコールが身体中染み渡っていた。締めの挨拶に何を喋ったかほとんど覚えていない。参加していただけた方々それぞれにお礼を言いたい気持ちは強いのだが、本能の向くまま喋ったので相手に届いたかどうか分からない。率直な自身の印象としても、人数が多くなり会自体が散漫になったように思えた。けれども、それも杞憂に終わったようだ。後日、参加していただいた方々から多数の労いの声をいただき安堵している。

僕自身自信がなければ、自尊、自負の念もない。しかし、唯一自慢できることがある。誘われたイベントに参加すれば、次からも必ず声をかけてもらえることである。職業なのか、風貌なのか、キャラなのか、よく分からない。連続すると苦痛な時もあるが、声をかけてもらえるうちが華、とだけ思う様にしている。それがご縁で別の会にも声をかけていただき、様々な方との御縁が出来たように思う。振り返ると、この十年間はその繰り返しだったような気がしている。今回、内輪だけのつもりの記念日会に三十数名も集ってくれたことが、僕にとっての最大の財産かもしれない。

人は、自然になんて集まって来ない。行列の店、流行りのモノ、人気タレント、人望の厚い人、ヒト・おカネが集まるには理由がある。僕にとって雲上の出来事ではあるが、経営者の端くれとして、評判のよさの裏側には不断の努力、弛まぬ研鑽、あくなき精進があることくらいは理解できる。人は、緩やかに繋がることなんてあり得ない。緩やかに繋がれるのは肉親と家族、そして幼馴染みだけである。赤の他人と繋がるために必要なことはただ一つ、損得勘定だけである。ほとんどの人が感情に出さず、あからさまな行動することなく無意識のうちに自然と付き合いをしている。けれども時に、それが目ざとい輩がいる。人間の光と影、薄ぼんやりながら理解できた十年でもある。辛辣な意見になった。それくらいドライでいたほうが、かえって人の細やかな温もりに対して敏感になれるとも感じている今日此の頃である。

 

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