院長のコラム

信楽焼に目覚める

作家訪問(1)

取り皿の2枚です。
何とも言えない風合いでしょ。
左側の皿は、底に3脚の台がついています。
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 陶芸に対して予備知識を全く持たないままの陶芸家との初対面である。しかも、昨日のオフ会の酔いが少し残っているせいか、少し頭痛がして何を話していいのか頭がまわらない。仲介してくれた方からの情報提供があったためか、それとも元来の気質だろうか、篠原さんはこちらに相当気を遣ってくれているのが分かった。ど素人が、基本以前の初歩的なことや見当違いのこと、その一方「篠原さんのオリジナリティーはどこにありますか?」など評論家じみたことを聞いても、笑顔で真面目に受け答えてくれた。30分ほど歓談した後、当初の目的であった日常生活に使える食器購入のため作品を見せてもらった。

先ず、作品群を目の当たりにして思ったことは、言うまでもないことだが、陶芸は日本の文化に根ざしていること、そして他の文化と密接に関連しているということであった。というのも、茶器や花瓶の割合が高かったからである。陶芸作家が陶芸作家であるためには、作家性を表現するためには、茶器・花器が重要であることを素人ながらに理解した。それらの作品にはっとさせるものが多かったので、もし僕が茶道・華道を嗜んでいたなら、きっと垂涎ものだったに違いない。
次に目が行ったのが、徳利とお猪口である。残念ながら、最近日本酒を飲むと次の日がなぜか辛くなる。しかも、最近カロリーを気にしているので、どうしても日本酒は敬遠しがちである。自宅で日本酒を飲むのは、頂き物か旅行した際の記念品として購入した場合だけである。徳利・お猪口は、当家では日常食器ではない。
そうなると、選択するものは自ずと決まってくる。カレーを食べるのに適しているものは?秋刀魚を乗せると映えるお皿は?といった具体的なイメージを持って食器選択をした。

食器を購入したら、ちょうど昼過ぎになった。篠原さんの心遣いで、信楽の老舗有名割烹で昼食をとることになった。若き店主は、篠原さん曰く陶器マニアとかで、お気に入りの陶器を抱いて寝るそうだ。割烹に置かれている陶器を見ていたら、篠原作品が置かれていることに気がついた。たった1時間弱の陶器選択だったが、篠原作品の作家性・独自性、自分の好きな陶器の風合いや色合い、食事と陶器の関係がなぜか突然分かったような気がした。まさに、神様からインスピレーションを与えられたような感覚をおぼえた。
素朴だが複雑で濃厚な味わいのある料理を、店主のユーモアのある会話とともに、器を愛でながら見ながら食べる、何と至福の時か。昼食なのでさすがにお酒というわけには行かなかったが、機会があれば夜営業時にカウンターで日本酒をちびちび飲みながら料理に舌鼓を打ちたいと思った。帰りに土産としていただいたさば棒ずしも絶品で、しめ加減脂ののりが今までに食した中で最高のものだった。

食後に信楽を散策した後、篠原さんの工房に行く予定だったが、工房見学を中止して再度作品を見せてもらうことにした。最初は全く茶器に興味がわかなかったが、土の質感・焼き加減、何よりも手に持った時の収まり具合が、お茶が好きだった母の思い出を蘇らせた。再度見せてもらったら、まさに目学問、最初見た時の印象とは随分と異なった。購入したい気持ちがふつふつと沸いてきたが、如何せん茶道を習っていない。思案した挙句、陶芸作家に向かって「これで丼を食べるのはありでしょうか?」と尋ねたところ、「そういう使い方好きですよ。」と満面の笑みで答えてくれた。小どんぶりを2個追加購入することになった。

初めて食器を購入して15年経った今、ようやくその世界に興味を持てるようになった。年齢を経て、ますます世界が広がっていくのを実感する今日この頃である。

一般名茶器、我が家では小どんぶりです。
何でもそうですが、モノは使ってなんぼ、だと思っています。
この小どんぶりで何を食べるか、今から楽しみです。

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