院長のコラム

千葉学建築計画事務所創立十五周年パーティー

野老朝雄さんとの出逢い

16-7-3-1
去る六月四日土曜日、建築家千葉学さんの事務所創立十五周年パーティーが開催された。メールで来た案内状を確認するや否や妻に、「行くしかないな、(祖父母に)段取りをお願いして。」と頼んだ。住宅、クリニック、店舗、介護施設、僕の歩みの側にはいつも千葉さんがいた。今後も建築家としてのパートナーであり続ける千葉さんからの案内である、断ることなど出来るはずがない。診療を終え直ぐ、夫婦揃って南紀白浜空港から上京した。

パーティーは、神宮前にある事務所が入居しているビルの二階で行われた。普段料理教室等に使われているスペースだそうだ。現スタッフはもとより、かつてのスタッフ、学生、事務所に関連する人々、総勢八十名くらい集まっただろうか、知った顔も散見された。千葉さんより年上の建築界の重鎮と思しき方も多数参加されていたが、なぜか乾杯の挨拶のお鉢が僕に回ってきた。千葉さんは東京生まれの東京育ちなのに、人口換算すれば千葉学建築作品が最も濃密に見られるのが和歌山県田辺市であること、田辺市には世界遺産もあり是非紀南に観光に来て欲しい旨を折り混ぜながら、僕の拙い挨拶でパーティーが始まった。
千葉さんらしく自らがソムリエになって、美味しいイタリアンワインがどんどん振る舞われた。十七時開始なのでまだまだ明るい時間帯に、都会の喧騒を眼下にワインが飲めるなんてこんな開放的なことはない。ビール感覚でグラスにワインを注いでもらった。千葉さんやスタッフとの会話、以前お世話になった建築関連の事務所の方々からの挨拶等、建築関係者ではなかったが途切れること無く会話が弾んだ。
宴もたけなわになった頃、パーティーに遅れてきた方がいた。自分と変わらなさそうな年齢にも関わらずクロップドパンツ(七分丈パンツ)に丸刈りの独特の風貌、如何にも業界人そうな雰囲気を漂わせていた。ただ、事務所スタッフや建築関係の方々のただならぬ対応に只者ではないことは理解できた。当初、ワインでアルコール漬けになった脳みそにはピンとこなかった。

!!!突然閃いた。妻に、「あの人、東京オリンピックのエンブレムのデザイナーやで。えっと、名前は、そのままでは読めない、えっと。」、思わず事務所スタッフに「あの方、今話題の五輪エンブレムのデザイナーさんですよね、名前は何さんでしたっけ?」と尋ねたところ、間髪入れず「ところさんです。」と返ってきた。ノリの軽そうな業界人らしき人が、野老朝雄(ところあさお)氏だったのだ。ある意味歴史上の人物、今後生きた伝説と言っても過言ではない方が僕の近くにいるのだ。「こんな記念事はない、記録しておかなきゃ。」と思う一方、気軽に声をかける勇気もない。思わず、東京大学教授の千葉さんに「すいません、野老さんと一緒の写真を撮りたいんですがお願いしてもらえませんか。」と頼んだ。千葉さんからのお願いに野老さんが快諾してくれた。十七時から始まったパーティーも、あっという間に予定の二十時になった。その後、場所を千葉事務所に移動して野老さんのオリンピックエンブレムに関する懇話会になった。明朝早く東京を発たなければならなかった我々夫婦は、パーティーを中座せざるを得なかった。

歳を重ねると何事にも億劫になりがちである。周囲に目を向けても、我々の世代くらいになると保守的でリスクを取らない生き方をしている人が大半である。その生き方を否定するつもりはないが、人生経験を経た今だからこそ巡り会えるチャンスがあるように僕は思っている。時間と旅費交通費及び手間暇を考えれば、今回のパーティーにわざわざ和歌山の田舎から上京しなくても千葉さんは許してくれたに違いない。もちろん千葉さんとの再会は嬉しかったが、望外の巡り合いがあった。年始のヨウジヤマモト青山本店でのパーティーもしかりである。
もっともっとフットワークを軽くしよう、そうすれば、ワクワクドキドキの出逢いが待っている、そんな気分で満ち溢れている。
16-7-3-2

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