院長のコラム

同期の桜

不思議なご縁

画像に他意はありません、そのままです。

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不思議な縁である。生まれた場所や年齢、育ち学んだ環境、医師としての経歴が全く異なり、しかも一緒に働いたこともない同業者(もちろん男性医師)と年に2回食事会を催している(正確に言えば取り持ってもらっている)。
医師は自分の殻に閉じこもっていなければ、研究会や講演会、勉強会、医師会関連の行事などで同業者と飲食をする機会が多い。しかし、本音で話すことはあまりなく、来院患者数、患者の増減、検査件数など診療報酬と関連する事柄については、半ばタブー視されているような気がする。かといって、公衆の面前で臆面もなく内視鏡検査数を公表する同業者には辟易する。「はあ?それで一体何が言いたい訳、単なる自慢?」と内心思っている。

その先生と交流を持つようになったのは全くの偶然である。自分が世話人となって立ち上げた紀南地方の消化器の勉強会に、紀北からわざわざ演題発表のために来てくれた。肩書きが村の診療所になっていたので、「村医が何を発表するのだろう」と少し訝って聞いていたが、講演内容はもちろん診療に取り組む姿勢が十二分に伝わってきたので、講演会後の懇親会で思わずこちらから歩み寄り、感銘を受けたことを伝えた。後日、発表した論文を送ってきてくれた。
その後会うことはなかったが、ひょんなことから再会の兆しとなる出来事が起こった。自分が開業する際に東奔西走してくれたコーディネイターが同じ人だったのである。その先生とコーディネイターは一度縁が切れたそうだが、訳あって開業の立ち上げに関わることになったそうだ。コーディネイターが僕に曰く「あの先生は先生と同じで、誠意を持って真剣に対応すればしっかり評価してくれる熱い人ですよ。」と、コーディネイターには僕達が同じ人種に映っていたようである。
開業後は依頼している血液検査会社も同じである事が分かった。その先生の担当者が「◯◯先生が、長嶋先生によろしく伝えておいてください。」と伝言してくれた。ふとした出会いだったが、ほぼ同じ時期に開業し、同じコーディネイターに同じ血液検査会社、奇縁だが必然的な運命を感じたので、某製薬メーカーに頼んで再会の場を仲介してもらった。以来、夏と年末に互いの地域を行き来している。

今回は当地に駆けつけてくれた。挨拶も早々に開口一番本音トークの開始、「今年は大変でしたよ。スタッフ2人に辞められるし、右肩上がりだった患者数や売り上げも昨年より下がって散々でした。」、それを聞いた僕は愕然とした。このコラムで書いたように、当院でも全く同じことを経験している。「先生、大丈夫ですよ。当院でも去年と比較すれば大分検査件数が減っていますし、出張病院の依頼件数も相当減っています。大災害が何らかの形で受診機会の抑制に働いているようです。」と説明したところ、安堵の笑みがもれた。
その後も忌憚のない会話が続き、開院して初めて税務署の税務調査が行われたのも同じであった。さらにびっくりしたのは、共通の知人に対する認識も全く同じだったのである。あっという間に3時間が経ち、名残惜しく再会を誓ってタクシーを見送った。

同期の桜とは、本来、同級生や同期生の意味に用いるべきなのだろうが、同じ時間を共有したことがなくても、まるで共有したことがあるかのように何でも話せる同じ志を持った同士という意味では、まさにぴったりの言葉である。「袖振り合うも他生の縁」ということわざがある。僕はこの言葉が好きで、その先生との出会いはまさにご縁だったと思う。次回会う時は鱧が美味しい季節である、またどんな共通点を見いだせるのか今から楽しみである。

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