院長のコラム

名盤ライブ「SOMEDAY」

慌ただしい週末(3)

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<11月24日>
疲れが癒えないまま大阪への移動である。佐野元春さんのライブに参加するためである。今回のライブはいつもと趣向が異なっていて、長年のファンなら参上しなければならないイベントだった。佐野さんを世に知らしめた作品であり、日本のロックシーンにおけるエポックメイキングな作品でもある名盤、アルバム「SOMEDAY」を完全に再現するライブであった。曲順はもちろんアレンジも完全再現。メンバーもほぼオリジナル・メンバーにホーボー・キング・バンドからも加わり、錚々たるミュージシャンが一同に介し今回のライブをサポートしていた。しかも、やんちゃな弟を温かい目で見守るお兄ちゃん役の伊藤銀次、悲しげなサックスホーンを奏でるダディ柴田、長年のファンにとって忘れることの出来ない二人も参加予定である。

早々に松本を発ち、約3時間を要して大阪へ移動。ヨウジで用事を済ませ、友人と阪急大阪メンズ館で待ち合わせ堂島ホールへ。何百回、いや何千回も聞いてきたかもしれないアルバム、自分の青春時代を象徴すると言っても過言ではないマイルストーン。お付き合い気分の友人とは異なり、開演するその瞬間に向けて心は昂ぶるばかりである。その歴史的瞬間を迎えた時、僕はどうなるだろうか。

ライブを見終えた感想は、正直なところ複雑であった。自分の人生の記念日という意味では、これくらい用意周到に整えられた催し物は空前絶後であろう。我が青春、その後の人生の道標、いつの日からか親子を繋ぐ架け橋になった佐野元春。ある意味、自分の人生の分岐点がその日であった。そう思ったのは、僕だけではないと思う。そこにいた多くの聴衆が、それぞれの思いを胸に抱いて、その日を迎えたに違いない。ライブと言う刹那的なものではあるが、そこへ辿り着くまでの過程に意味があるコンサートである。そこに集えることが、考えようによっては奇跡的な集会である。その瞬間に立ち会えることは、何にも代えられない貴重な経験である。

何度、佐野さんのライブに立ち会ってきたことだろう。アルバムが発売される度に、人生の節目を迎える度に、多少の無理をしてでもライブに参集してきたつもりである。十数回参加してきた経験から言えば、今回は二つの意味で残念だった。
一つは、一部を除いて立ち見だったことである。今回のライブのメインターゲットは、我々四十から五十の世代である。開場前から開演までの約1時間半に加え、演奏の1時間弱を合わせた約3時間の立ちっ放しは、中年の足腰には相当辛かった。
二つ目に残念なことは、佐野さん自身が「SOMEDAY」を歌えていなかったことである。高音で声が出ない、かすれる。高音が出ないので、中低音とのバランスが悪い。高音が出ないので、一部歌詞が聞き取りづらい。初めて「SOMEDAY」に満足出来なかった。

長年のウォッチャーの偽らざる感想である。金科玉条の思い出にすがるのか、ありのままの現実を受け入れるかで議論の分かれるライブになった。とはいえ、今回のライブは、いつかきっと良き思い出に変わることだろう。今後も佐野さんを尊敬し続けることに違いないから。

 

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