院長のコラム

旅する迷える羊

平成二十八年十月二十二日に考えたこと

16-10-30
ON THE ROAD 2016大阪城ホールは、休憩を含めて三時間半、演奏曲目二十九の長丁場の公演だった。数十年ぶりのライブ参加である。加えて、オリジナルアルバムは「誰がために鐘は鳴る」以降聞いていないので、彼の四十年にわたる活動の半分以上を知らないまま予備知識も入れないままの出席となった。馴染めるだろうか、盛り上がれるだろうか心配していたが、杞憂に終わった。機会があるなら、馳せ参じたいと心底思った。

しばらくぶりのコンサートで完全アウェイだったはずなのに、どうしてこんなにライブを楽しめたのか、ズブの素人なりに改めて考えてみた。言い出せばキリがないが、四点ほど気づいたことを留めておきたい。
そもそも浜省は秀逸なソングライターだと思う。コンサートの演目のうち三分の一は、タイトル名も曲調も全く分からない初めて聞く曲だった。しかし、リズムやテンポ、それにのせる歌詞で、何を歌いたいのか、何を伝えたいのか、十分伝わってきたし理解できた。
第二に、浜省は抜群の歌手でもある。天性のものなのか、はたまた長年のライブで培われてきたものなのか分からないが、その卓越した声量には目を見張るものがあった。パンチのあるボーカルが心を揺さぶった。バックバンドの演奏も浜省の声量を打ち消すこと無く、それでいてソロのパートでは卓越したテクニックを披露できる大人の艶熟したバンドといった風情であった。
第三に、浜省は優秀なエンターテイナーだ。天性のものなのか、はたまた長年のライブで培われてきたものなのかは分からない。老若男女、昔からのファンに新しいファン、馴染みの客から僕のような一見さんまで沸かせるため、演目曲を選択し演目順を選定していた。ライブ中盤からの一体感の醸成、後半の共同体意識の炸裂は凄まじかった。
そして最後に、浜省は最高の演出家だと感じた。会場が大きければ盛り上がる訳ではない。会場の大きさや周囲の盛り上がりに反比例するかのように、孤独や疎外を感じる人も多くなるだろう。ライブに集った多くの人たちのため、左右に大きなライブモニターが設置されていた。中央には巨大スクリーンが設置され、浜田省吾の世界観が曲に合わせて映り出された。アリーナ37列、はるか遠くに浜省本人を見る距離だったが、これらの映像のお陰で身近に感じることが出来た。

楽曲「19のまま」をわずか二秒で間違うというハプニングもあった。語れば尽きることのない忘れられないライブになった。コンサート自体もそうだが、今回、行った相手も良かった。気心の知れた友人との間に一つまた思い出が出来た。このような機会を与えてくれた彼には、「感謝」という言葉しか浮かんでこない。
最新アルバム「Journey of a Songwriter ~旅するソングライター」ではないが、我々も人生という名の旅を生きている。「偶然はすなわち必然である」、僕はある意味運命論者である。年を経れば経るほどその傾向が強くなっている。四半世紀経て集った浜省のライブ、母親の年齢を超えて迎えた五十歳、開業して十年を間近に今後の行先を見いだせない現状。今回の大阪城ホールは、「単に触発された」だけではない何かがあるように思えてならない。その意味が何なのか、しばらく考えてみようと思う。

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