レクサスGXとランクル300、同時に手に入れた男の独白
8月10日日曜日、待ちに待ったレクサスGXが納車された。2023年6月、その姿を始めてみた時、「レクサスSUVのあるべき姿、これは絶対買う!」と快哉を叫んだ。予定通りに行けば、2024年秋には発売予定だった。しかし、トヨタ自動車の認証不正問題の影響で発売が遅れ、今年4月3日にようやく国内で正式販売となった経緯がある。
この数年、自動車業界は大きな混乱に見舞われている。半導体不足による生産の遅延やサプライチェーンの混乱、それに伴う需要と供給のアンバランス。そして、まさか我が国を代表する企業で、このような認証不正問題が起きるとは思いもよらなかった。
本来であれば、僕は昨年中にレクサスRXからGXに乗り換える予定だった。そして今夏、満を持してランクル300を迎えるはずだったのだ。しかし、今回の認証不正問題の影響でGXの発売が遅れ、状況は想定外の事態となった。まさか数ヶ月の間に、二台もの車が、立て続けに納車されることになるとは。
先に納車されたランクル300を売却して、GXを迎え入れるという選択肢もあった。だが、ランクル300購入時に、僕は誓約書にサインしていたのだ。そこには、早期に売却した場合、「転売ヤー」として扱われ、次に同じ店舗で車を購入することは不可能になる、いわゆる「出禁」になる趣旨のことがやんわり書かれていた。この誓約書がある以上、単純にどちらかを売るという安易な選択は許されない状況だった。
結果として、今、僕の手元には2台もの大型SUVがある。正気の沙汰ではないと思いつつも、このピンチを乗り切るため、得意の残価設定型クレジット(残クレ)を最大限に活用することにした。
乗り味はどうか。以前の院長コラムで、僕はレクサスLXと比較して、ランクル300をべた褒めした。その時の結論は、ランクル300が価格、性能、使い勝手において、レクサスLXを上回る最強のコストパフォーマンス車というものだった。今回、同じ兄弟車であるGXと比較してみても、ランクル300はその性能において全く遜色がない、いや、むしろ価格面を考慮すれば依然として上回っているかもしれないと感じている。
この数年で、同じラダーフレーム構造とエンジンを持った兄弟車であるレクサスLX、ランクル300、そしてレクサスGXと乗り継いできた。それぞれの車の方向性、味付け、そして快適性は確かに異なっている。しかし、コスパとリセールまで考慮した「ランクル300最強説」という僕の結論は、今のところ変わらない。納車されたばかりで、これから印象が変わっていく可能性も十分にある。しばらくの間、2台の大型SUVを並行して乗り比べ、その違いを徹底的に検証していきたいと思う。
本来なら、同じ時期に大型SUVを乗り比べることなど出来なかっただろう。新車納期遅延問題による今回の奇妙な状況を、単なる偶然ではなく必然と考えるなら、この運命を受け入れるしかない。今回の困難を乗り越えて、僕自身の人生における「車選び」の一つの転機にきっとなるだろう。さて、この二台の旅は、僕にどんな答えをくれるのだろうか。