無作法な記号と、剥き出しの実存~搾取の荒野で言葉を紡ぐ~
この3月、「院長コラム」に掲載した「これも有名税かーー搾取と無作法の荒野で」を、改変・加筆の上一つの文章に仕上げました。
【第1章:無作法な荒野の門番たち(防波堤)】
一国一城の主(医業経営)になれば、有象無象、詐欺師まがい、狡猾な輩から、やたらとノイズが届くようになる。
「節税対策のためにマンション経営を」「いい投資案件があります」「今なら通信料金が安くなるので」……。そんな定型文の営業電話は枚挙にいとまがない。
税金のことは信頼する税理士に任せているし、通信インフラに関しては長年懇意にしている会社がある。僕に直接語るべき余地など、どこにもないのだ。
したがって、「顧問がいますから、まずはそちらに電話をかけていただけませんか」と応えるよう受付スタッフに指示している。その途端、相手は食い下がるどころか、速攻で電話を切る。これほど分かりやすい正体もない。
今ではスタッフも手慣れたもので、怪しいと感じた瞬間に「間に合っています」と一蹴し、即座に着信拒否の設定に叩き込んでいる。
日々の実戦の積み重ねとはまさにこのことで、優秀なスタッフたちが築いてくれたこの防波堤のおかげで、下劣な営業電話が僕の手元まで届くことは、もはや不可能に近い。
時効だから話そう。悪質業者に対する鉄壁な防御の裏側には、忘れられない一つの傷があったことを。僕は、自分の城の、最も誠実な守り手一人さえも守りきれなかった
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