院長のコラム

OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE AT STADIUM 2025(後編)

 

1994年の9月15日に行なわれた佐野元春ライヴ「Land Ho!」。我々の席はステージ対面の最も離れたスタンド席。公演前、会場内では色とりどりのデイジーが配られていて、否が応でも会場の雰囲気はいつもと違う。思いと裏腹に、朝から雨模様でコンサートが始まっても雨がそぼ降っていた。いつの間にか雨は止んで、佐野さんが指差した先には雲間から覗く満月に近い月。THE HEART LANDの解散ライブにして、珠玉の佐野元春ヒット曲メドレーライブ。悲しいのか嬉しいのか複雑なライブだった。寄せては返すウェーブが今でも印象に残っている。

五月十七日のライブは初参加ながら競技場前で思わず立ちすくんだ。この日のためのライブTシャツを着てヒゲダン・タオルを持参している方が大多数。そこに集った観客は老若男女、グループ連れ、親子連れ、夫婦連れ、男女比もほぼ半々、このバンドファンの多様性が歴然としていた。「そりゃそうだ」還暦に近い夫婦が子連れで来るくらいだから。ヤンマースタジアム内に入って、五万人収容の会場のスケールに圧倒された。我々の席はアリーナ後方、ステージは遥か彼方でそこには漆黒の超巨大モニターがそびえ立っていた。17時半開始のライブは微妙な天候を保ちつつ、その時を待った。

大型モニターに舞台裏に控えるメンバーの映像が映しだされ、ステージに向かう彼らを追う映像の先にスタジアムに集う五万人の観客の映像が拡がる、圧巻の開幕だった。我々の席から見えるメンバーは米粒大ほど、超大型モニターのお陰でステージ上の雰囲気は十分に伝わった。水あり火あり、花火ありの演出と楽曲に合わせた映像は素晴らしく、メモリアムライブにふさわしいものだった。この秋、この時の模様が「劇場版OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE AT STADIUM 2025」として上映される予定。ファンはもちろん、ヒゲダンに少しでも興味ある方にはぜひ見てもらいたい。あの時のスタジアムの臨場感と興奮を客観的、俯瞰的に見たくて我々家族も見に行くつもり。

なんちゃってファンが伝説のライブを語るのはおこがましい。あえて初心者目線で語るなら三つ。一つは、ヒゲダンはライブバンドであることを改めて認識した。ライブ演奏を聴きながら、ライブに揉まれ培われ変化し成長したバンドという印象を持った。二つ目は一つ目に通じることかもしれない。ライブでのヒット曲演奏は得てして間延びすることが多い。しかし、ドラマの主題歌にもなったややスローナンバーな「Subtitle」でさえ腕を前後に振って盛り上がるのだ。観客との一体感を大切にするこのバンドならでは、と感じた。最後に、メンバーの謙虚な態度。ライブ中、ボーカルの藤原君は「僕達をここに連れてきてくれたのは皆さんです」と何度もファンへの感謝の言葉を綴った。当たり前のことを当たり前のようにありふれた言葉で語るのは、得てして格好悪さにつながるもの。人柄というかバンド柄というか、物事の道理、自分達の状況や役割をわきまえた言動に感銘を受けた。ライブは雨降ることなく経過、大団円で幕を下ろした。

長女と天王寺で待ち合わせていたため、藤原君の最後の挨拶に中座し地下鉄駅に向かった。興奮冷めやらない我々は、焼き肉に舌鼓を打ちながら「ヒゲダン良かったな。また行きたいな」「太陽、今度はいい子にしてよ」と次回の参加を願った。年老いてもなお、みずみずしい感性で持って、新しいことに挑戦して行こうと思えた素晴らしい夜だった。

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