院長のコラム

さらば海陽学園(1)(我、ふと思う)

この春、次男は高等教育課程に進む。それは即ち海陽学園との決別にもなる。どうやって辿り着くのか定かではないが、院長コラムで最も読まれているのが海陽学園関係である。海陽学園の受験を考えている保護者は教育熱心な方が多い。和歌山の片田舎で細々と書かれている生前遺言記まで行きつくのだろう。以前から宣言しているように、実名で保護者として海陽学園をコラムで取り上げてきた以上、何処かで終止符を打たなければならないと考えていた。学園保護者の匿名ブログのほとんどが消化不良のまま終わるのを見てきて、少し無責任ではないかと感じていた。学園入学を考慮しているこれからの保護者に、OBとして嘘偽りのない体験談を情報提供できればと願う。

今春、海陽学園七期生は、東大が十二名、国公立大学医学部六名を輩出した。一期生以来の華々しい結果となり、元保護者としては素直に嬉しい。しかし、穿った見方をすることも出来る。リーマンショックで受験生が激減したため(次男の五期生にあたる)、六期生以降六年間の学費が免除される特別給費生と称する制度が導入された。これにより偏差値の高い学生を獲得できるようになった。六期生では芳しい結果が出なかったが、今回ようやく制度導入が実を結んだ。約二十名の特別給費生と一般入学者百名、どの期も一割程度の退学者がいるので約百名の生徒で国公立合格者が二十八名。ひねくれた見方をすれば、入学当初から偏差値の高かった生徒がそのまま結果を残したに過ぎないとも取れる。今年の結果は誇らしいものだが、二期から六期生までは進学校を標榜するには甚だ疑問な結果だったことは否めない。凡人な父で学才のない我が家の息子二人は、志望学部に入学するためさらに二年の受験勉強期間を要した。

大学受験時の偏差値が高い、有名大学もしくは医学部卒業、社会人に成れば通用するだろうか、そんなのかんけーねー、人間性と能力が問われるだけである。有名企業入社もしくはキャリア官僚になる、それって人生における成功なのだろうか。辞任した佐川宣寿元国税庁長官の姿をテレビ画面で見る度に考える。東大経済学部卒業、大蔵省入省、国税庁長官まで登り詰めた人である。きっと、高校や大学、官僚同期の出世頭で周囲からうらやまれていたに違いない。所謂超エリートが、一般人(彼らから見れば愚民)に人間性を問われ、国税庁長官退任後のバラ色の人生もおそらく断たれることになるのだろう。定年間際のちゃぶ台返し、つくづく人生とはわからないものである。学歴社会のことで言えば、偏差値七十以上のタレントってどれくらいいるのだろう。テレビの向こう側で道化者を演じている彼らを笑い飛ばしているテレビの前の人間。どれくらい収入格差があるか、テレビの前にいる人間でどれだけの人が理解しているのだろうか。

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