院長のコラム

時を越えて胸に響く歌声——アラ還の僕たちが、浜田省吾と共に歩んだ青春と今:浜田省吾On the road 2025-2026とウォルドーフ・アストリア大阪と週末に(番外編)

【青春の焦燥と、そっと寄り添ってくれた歌】
青春の痛みにそっと寄り添い、歳月を重ねた今の心にも静かに灯り続ける歌がある。
団塊の世代から新人類と呼ばれた世代にかけて、昭和から平成の街角で、僕たちの胸を焦がし続けたミュージシャン——浜田省吾。彼の歌声は、今や「アラ還」と呼ばれる世代となった僕たちの人生における、かけがえのないBGMだ。
あの日、擦り切れるほど聴いたカセットテープ。放課後の校舎の影、不器用な恋に揺れていた夜、あるいは社会という大海原に投げ出され、自分の無力さに打ちのめされていた暗闇の中で、彼の歌はいつもそこにいた。
『路地裏の少年』の疾走感に自分の焦燥を重ね合わせ、『悲しみは雪のように』の優しさに救われ、『19のままさ』のせつなさに胸を締め付けられた。

等身大の葛藤を描く、ロックンロールの誠実さ】
浜田省吾の音楽がこれほどまでに僕たちの魂を揺さぶり続ける理由は、彼が描く世界が単なる「流行歌」ではなかったからだ。彼の歌に登場する主人公たちは、決して完璧なヒーローではない。夢と現実の狭間で葛藤し、傷つき、時には道を見失いながらも、泥臭く生きていこうとする等身大の人間たちだ。
若かった頃、僕たちは何者かになりたくて、でも何者にもなれなくて必死にもがいていた。ポケットの中には大した金もなく、未来への漠然とした不安だけを抱えていた。そんな青臭い僕たちに向かって、彼は上から目線のお説教でも、安易な気休めでもなく、「俺も同じだよ」と語りかけるように歌ってくれた。
ロックンロールの激しいリフレインの裏側に漂う孤独と誠実さ。それが、多感だった僕たちの心に深く刺さったのだ。

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