院長のコラム

あさイチと佐野元春〜佐野元春45周年記念(前編)〜

少し前の話だが、僕にとって忘れられない出来事があった。
それは、佐野元春さんが7月4日放送のNHK『あさイチ』に出演するというニュースだ。今年、デビュー45周年を迎えた彼にとって、これが初めての生放送トーク番組出演。この歴史的な瞬間を見逃すわけにはいかない。とはいえ、その日はクリニックの診療日。リアルタイムで観ることは、残念ながら叶わない。僕は迷うことなく録画予約のボタンを押した。

診療の合間、PCの画面に目をやると、ネットニュースのトップには佐野元春の名前が躍っていた。「あさイチ」に出演中の佐野さんが、往年のヒット曲『SOMEDAY』の貴重なライブ映像を公開したとのこと。さらに、司会の博多華丸・大吉さんやゲストのスガシカオさんとの軽妙なやりとりが大きな話題になっていると報じられていた。ネット上では「イケオジ」「素敵」「知的」といったポジティブな言葉が飛び交う一方で、「意識高い系」「整形?」などといった心ないコメントも散見された。

初めて彼を見た人、あるいはしばらく佐野さんの音楽から離れていた人には、そう映るのかもしれない。しかし、40年以上にわたって彼を追いかけ続けてきた僕には、その真実がわかる。
2017年にアルバム『MANIJU』を発表した年、ウェーブのかかったライオンのたてがみのような長い髪をバッサリと切り落とした。それに合わせるかのように、減量にも取り組んだそうだ。以来、フォーマルなシーンではスタイリッシュなスーツ、カジュアルなシーンでは今回の「あさイチ」のようにダブルのレザーライダースが彼の定番スタイルになっている。それは決して、見た目を若返らせるための安易な選択ではない。常に時代と向き合い、自分自身をアップデートし続ける彼の、揺るぎない姿勢の表れなのだ。彼の音楽と同じように、スタイルもまた、常に進化し続けているのだ。

そして、その日の診療を終え、家に帰って早速録画を観た。画面に映る佐野さんは、紛れもなくいつもの佐野さんで、何も変わらない。表情や仕草、話し方やトーン、そして選ぶ言葉、例えば司会の質問に対して、ユーモアを交えながらも決して媚びない応答をする姿。そのすべてが、「佐野流儀」であり、「モト・スタイル」だった。
長年のファンからして見れば、「ネットニュースで話題になるほどか?」と感じつつも、「なぜ、今頃?」を自分なりに考えてみた。結論は、彼がかつて世に投げかけた「つまらない大人になりたくない」というアンチテーゼを45年後も彼自身が体現化したからに違いない、だった。それが答えであり、すべてだ。
音楽、ドキュメンタリー、バラエティ、情報番組。スタイルの異なるどの番組に出演しても、彼の言動や立ち振る舞いは全くブレることがない。

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