ネバネバ、そしてヌルヌル〜石破自民党政権のジレンマ〜
今年の夏、参議院選挙後の成り行きを見て、思わずため息が出た人も多かっただろう。自民党ときたら、衆議院選挙、都議会議員選挙、そして今夏の参議院選挙と三連敗。野球なら三振バッターアウト、イニングならスリーアウトチェンジのはずだ。これほどの連敗を喫すれば、普通なら、潔くグラウンドを去るのが筋というもの。
「仏の顔も三度まで」という諺がある。どんなに穏やかで慈悲深い人でも、無礼なことを何度も繰り返されれば、最後には怒ってしまうという意味だ。度重なる不信行為で国民の堪忍袋の緒が切れた。自民党が期待を大きく裏切り、その信任を失ったという事実を国民は突きつけている。
それなのに、あろうことか、石破首相は総理の座に「ネバネバ」と粘り続けている。あれこれと御託を並べ立てて、一向に辞める気配を見せない。国民の信任を失い、党内からも疑問の声が上がる中で、果たしてこれが自民党のリーダーとして、いや、一国の首相としてあるべき姿なのだろうか。リーダーシップとは、結果に対する責任を負うこと。そして、その責任の取り方こそが、真のリーダーの器を示すものだと、僕は常々考えている。この状況を前にして、国民の多くが抱くであろう「なぜ?」という疑問に、彼は「ヌルヌル」とした対応で真正面から答えていると言えるだろうか。現状維持に固執する姿は、国民の政治不信をさらに深めるだけではないか。北村晴男弁護士(現参議院議員)が、彼を「醜く奇妙な生き物」と評したのは頷ける。
今、自民党内では「石破おろし」が盛んだ。しかし、振り返ってみれば、そもそも誰が石破さんを党首に選び、そして総理の座に就かせたのだろうか。この責任は、決して石破首相一人に帰するものではない。彼を選び、支えてきた党全体の問題ではないだろうか。選挙の敗北を個人の責任に押し付け、内紛に明け暮れるよりも、まず党として、この惨敗の責任をどう取るのか、国民にどう説明するのか。その根本的な問いに答えるべきだ。身内同士で足を引っ張り合っている場合ではないはずだ。国民は、混乱する政党ではなく、明確なビジョンと責任感を持った政治を今求めている。
日本は今、大きな変革の時代を迎えている。国際情勢は目まぐるしく変化し、国内を見ても、少子高齢化、経済の停滞、そして政治への不信感と、課題は山積している。不安定で不確実な未来が目の前に広がっている。そんな中で、僕たちはこの国の未来を、ただ傍観しているだけで良いのだろうか。この国は一体どこに向かっているのか。そして、僕たちは、この時代の変革の波に、どう向き合っていくべきなのか。今、僕たち一人ひとりが、真剣に問い直し、行動を起こすべき時が来ているのかもしれない。このままでは、日本は世界の潮流から取り残されてしまうのではないか、そんな危機感を抱かずにはいられない。