「長嶋雄一国憲法」と残クレ王子の変節:ローマ愛・第二章―最下層フェラーリスタの受難と狂心―第2話
【この文章のはじめに、ハズレモンから】
ラグジュアリーブランドの理不尽なゲームに抗い、「最下層顧客」としての冷めた諦念を抱えながらも、なぜ男は再びフェラーリを待つのか。
「長嶋雄一国憲法」の誇りと、「残クレ王子」としてのドライな掟。そのすべてをあっさりと投げ捨ててまで貫きたかったのは、損得を超えた愚かなまでの「ローマ愛」だった。 これは、ゲームのルールに背を向けた一人のハズレモンが辿る、愛憎と迷走の記録である。
【都市伝説と「長嶋雄一国憲法」】
仕様決定の連絡が届いたのは、第一弾のデポジットを振り込んでから5ヶ月が過ぎた頃だった。
心地よい春風の記憶は遠くに去り、9月だというのに猛暑の湿り気がねっとりと肌にまとわりつく季節になっていた。
フェラーリの世界には、「オプションを積めば積むほど生産時期が早まる」という都市伝説が存在する。YouTubeなどでは実しやかに語られている真偽不明の噂だ。
だが、「ハズレモン」として生きる僕にとって、そんな不透明なゲームに迎合することなど到底納得がいかない。レクサスの上級車が丸ごと一台買えるようなオプションを絶対に盛らない――それこそが「長嶋雄一国憲法」なのだ。
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