院長のコラム

ホテル椿山荘東京とその思い出

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十月二十日、東京で製薬会社の講演会があった。何と場所はホテル椿山荘東京である。開業して以降、年に何度か講演会で上京するが、似通ったホテルでの開催が多く、今回の椿山荘での講演会は自身初めてであった。今回の製品に対するメーカーの力の入れ込みようを伺い知ることができる。何よりも、二十数年ぶりの椿山荘への訪問である。フォーシーズンズの肩書が取れた椿山荘がどうなっているのか、出席を決めてからこの日を楽しみにしていた。

二十数年前、結婚前の話である。当時、僕は北海道旭川、彼女(現在の妻)は地元田辺に住んでいた。どのような経緯・経過でそうなったか、今となっては思い出せない。とにかく東京で落ち合うことになった。ホテル選びは僕の役割である。その頃、東京の高級ホテル御三家は、帝国ホテル・オークラホテル・ホテルニューオータニ、新御三家としてフォーシーズンズホテル椿山荘・パークハイアット東京・ウェスティンホテル東京と言われていた。思案の末、フォーシーズンズホテル椿山荘での宿泊およびイタリアンレストラン「イル・テアトロ」での食事を選択した。当時のことは、もう断片的にしか覚えていない。ホテルまでのアクセスが不便、食事を堪能するよりも雰囲気に圧倒されてワインを飲みすぎたこと、都会のど真ん中で客室数二百五十程度あるホテルにもかかわらず夜の静けさが深かったこと、部屋の窓から眼下に見える庭園の姿に感動したことは今でも記憶している。

今回の上京は、二十数年前同様、妻同伴であった。講演会出席に合わせて、建築家の千葉さん及び事務所スタッフとの打ち合わせも兼ねていた。今回はタクシーでの訪問だったが、南青山から見慣れない車窓が物珍しかった。ホテルに到着しエントランスホールに入ってみたものの、終始記憶がよみがえることはなかった。けれども、二十数年の経年変化が重厚感をもたらしているのか、落ち着きくつろぐことが出来た。「ザ・ビストロ」での千葉さんとの会食はあっという間の三時間だった。部屋もゆったりしていて、眼前に見える都会の喧騒とはかけ離れた夜のホテルライフだった。明け方の娘からの電話がなければ最高にリラックス出来る日だった。ちなみに、娘からの電話は致し方ないものだった。マンションの隣人に痴話喧嘩があったらしく、外に追い出された男が、ドアを叩き玄関ベルを鳴らす音が真夜中の三時頃から一時間以上続いている、との悲壮感に溢れるものだった。

ところで、二十数年前のちょっとした思い出と思い出の品がある。宿泊翌日、東京観光のため、はとバスツアーを予約した。椿山荘から東京駅まで、何とリムジンで送迎してくれた。もちろん無料である。これ以前以降、未だにリムジンに乗ったことがなく、おそらく人生たった一度の経験になることだろう。はとバス乗り場にリムジンで乗り付けることが何と気恥ずかしかったことか。「山の手、下町一日」コースで、おそらく浅草から日の出桟橋に向かう水上バスに乗って下船した際に出来事が起こった。ミュージシャンの佐野元春さんに出くわしたのだ。プライベートな時間であることは分かっていたが、こんなチャンスは二度とない。思い切って声をかけてみたところ、快く握手をしてくださった。写真撮影もお願いしたが、それはやんわり断られた。写真撮影が無理だったので、サインをお願いしたところ快諾してくれた。けれども、紙がない。思わず差し出したのがホテルの封筒だった。二十四年前の秋の出来事である。

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