院長のコラム

戦々恐々(NSX納車記(2))

開業してから十年、それはすなわち、医師として第一線から退いて十年になることを意味する。ますます、勉強することの大切さを痛感している。NSXの納車日というか、引取日は二十四日に決めた。その日は彼岸入りの赤口と指摘してくれる人もいたが、僕自身はあまり気にしなかった。前日は大安だったが、日頃の勉強不足を少しでも解消すべく、支部評議員会に出席するとともに教育講演会を半日聴講することにしていた。その日しか選択できなかったというのが本音である。納車前日の夜、長時間の勉強で寝付きはよかったのだが途中で目覚めて、以後熟睡できなかった。きっと興奮していたに違いない。

何人もの方から「家に持って来てくれへんの?」と質問されたが、NSXはディーラーでの納車が原則のようである。したがって、当日は、妻と三男の三人で伺う予定になっていた。けれども、妻の体調不良により一人だけの納車となった。店頭にはコーンで仕切られたど真ん中にNSXが華々しく鎮座していた。華美な納車式はないことを聞かされていたので淡々と初期設定をしていくだけなのだが、だんだんと手に汗握るようになった。「家までの帰り道、事故を起こさんやろうか。」「ディーラーから道路を出る際に下を擦らんやろか。」「そもそも、運転できるやろか。」、不安と恐怖で打ちのめされそうだった。ディーラーから単に家に帰るだけなら案ずることはないのだが、僕には立ち寄らなければならない場所があった。

何人ものオーナーが指摘していることだが、フロントの純正ナンバープレートの台座が飛び出しすぎていて何とも見栄えが悪い。何と、和歌山県の第一号者の方が台座を自作してその問題を解決していたのだ。納車されたら取り付けていただく約束をしていたので、納車後師匠宅に伺わなければならなかった。幹線道路から一本入った旧市街のような道路なので、軽自動車二台がようやくすれ違うことの出来る程度の幅しかない。納車後、幹線道路は難なく運転できた。問題は一本入った道を運転できるかどうかである。手に汗握り、心臓はドキドキ、頭は真っ白、兎に角対向車が来ないことを祈った。意に反して、神に見捨てられたかと思えるくらい対向車が来る。有り難いことに誰もが、道を譲ってくれるか、もしくは遠方の広い場所で待機してくれた。おかげで、どうにかこうにか師匠の家にたどり着くことが出来た。

師匠は、亡き父が生きていたらほぼ同年代で、いわゆる後期高齢者に属する。高齢者の運転免許自主返納が叫ばれている昨今、師匠に関しては全く心配がなさそうである。作業を通して、車に対する知識、情熱が並大抵のものではないことを痛感した。当初、四・五十分を予定していた作業だったが、下ごしらえしていた台座を取り付けてはニッパーで切り取り、取り付けてはヤスリで削り取りの工程を何度も繰り返すこと一時間半、僕の車にぴったりフィットするように台座を取り付けてくれた。間延び感のあったナンバープレート周りは、師匠お手製のカーボン調台座で精悍な印象に変わった。

取り付けが終わり、いよいよ帰宅の途に。師匠宅から国体道路を南下して海南インターチェンジまで慣れない道を帰らねばならない。戦々恐々の一人旅はまだまだ終わらない。

交換前のナンバープレート台座。相当出っ張っています。交換後はとてもスッキリした印象。

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