僕が気づいた、ルイ・ヴィトン展の「その先」
大阪中之島美術館で7月15日から9月17日まで、ルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展が開催されている。
ルイ・ヴィトン創業170周年と2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を記念して開催されるこの展覧会は、メゾンの先駆的な精神と旅への真髄、卓越した匠の技、創造性、そして日本との深いつながりを「見て聞いて感じる」体験型の展示会だそうだ。僕は同展に8月12日火曜日に行ってきた。
同展は観覧料が一般2000円、しかも日時指定制でチケットが販売されているそうだ。この伝聞調なのは、実はチケットを自ら購入していないからだ。今回、担当者が同伴してくれたお陰で、無料かつ日時はこちらの都合に合わせていただけた。
館内は入場前の来場者で長い行列が出来ていて、展覧会自体もルイ・ヴィトン人気を目の当たりにするくらい人でごった返していた。観覧後のギフトショップにも長蛇の列が出来ていて、このブランドの根強い人気を再認識した。今回、このような機会を与えていただいた担当者と店長のご厚意に、改めて心から感謝する次第である。
展覧会はルイ・ヴィトンの歴史を堪能するものだった。創業者のルイ・ヴィトンがトランク職人としてキャリアをスタートさせたこと、その技術が世界中のセレブに愛され、メゾンが成長していった軌跡がよくわかった。
特に興味深かったのは、日本の文化や芸術がメゾンのデザインに与えた影響の大きさを、展示を通してまざまざと知ることができたことだ。改めて日本文化の奥深さと、それを独自の視点で取り入れたルイ・ヴィトンのクリエイティビティに感銘を受けた。単に商品を並べるだけでなく、職人たちの手仕事の映像や、歴代のクリエイティブ・ディレクターたちの哲学を伝える展示にも力が入っており、メゾンが歩んできた道のりと、その魂を肌で感じることができた。ルイ・ヴィトンに興味がなくても、一見の価値ある展覧会だった。
2025年、アパレル・コングロマリットは減収減益と苦戦を強いられている。こうした厳しい状況下でも、ラグジュアリーブランドは度重なる値上げを続けている。彼らはこのピンチを値上げで乗り切ろうとしているのだろうか。
しかし、消費者はすでに買い疲れしている。このままでは、ブランド戦略はきっと再考せざるを得ない状況になると思う。かく言う僕も、流行や見栄を張るためだけに高価なものを買うことには疑念を持っている。
今回の展覧会で、ブランドの歴史や哲学に触れたことで、単なる消費ではない、その背景にある物語や職人の魂を感じる買い方が今後重要になってくるのではないかと感じた。そして、それはきっと、僕たち医療従事者が患者さんと向き合う姿勢にも通じるのではないか。目の前の患者さんの背景や人生を知ることで、より深く、その人に寄り添った医療を提供できる。ブランドも、医療も、本質的な価値を見出すことが、これからの時代にはますます求められていくのだと改めて考えさせられた。