残クレ・アルファード
現在、YouTubeで「残クレ・アルファード」というキーワードがサムネイルなどで多く使われ注目を集めている。この言葉を初めて聞く方のために、その意味と背景を説明する。アルファードとはトヨタが製造・販売する高級ミニバン、広々とした室内空間と上質な乗り心地が人気を集めている。残クレとは残価設定型ローンの略称。これは、自動車を購入する際、数年後の車の予想下取り価格(残価)をあらかじめ設定し、その残価を差し引いた金額を月々支払っていくローンの仕組み。簡単に説明すると、例えば500万円の車を5年後に250万円で下取りされると設定した場合、利用者は残りの250万円を5年間で支払うことになる。金利を考慮しない場合、年間の支払いは50万円、月々に換算すると約4万円強となり、これは、軽自動車を銀行ローンで購入するのと同程度の月々支払いで、500万円クラスの車に乗れることを意味する。
「残クレ・アルファード」とは、残価設定型ローンを組んでアルファードに乗ることを指す。クルマを購入するには現金一括支払いかローンを組むかのどちらかだから、残クレ自体も一つの有効な選択肢。しかし、「残クレ・アルファード」が特に話題になっている背景には、アルファードに乗っている層への特定のイメージがある。それは「マイルドヤンキー」「見栄張り」「情報弱者」といったステレオタイプで、彼らが残クレを利用することで経済的に無理をしている状況を揶揄している傾向がある。このような見方はある程度納得できる反面、誇張や印象操作が含まれていると感じる人も少なくない。
残クレの利用を検討する際、「金利が高いから、比較的金利の安い銀行ローンの方が良い」という意見を耳にする。例えば、500万円を5年ローンで借り入れた場合、単純計算では年間100万円、月々約8万円強の支払い。一方で、残クレであれば月々4万円強の支払いで済む。もちろん、残クレには走行距離制限や損傷時の追加費用といった制約があるものの、この月々の支払い差額(約4万円)をNISAなどで積立投資に回すことで、金利差を実質的に補填できると考える人もいる。「現金一括払いが最も良い」という考えも根強くある。確かにそうかもしれないが、500万円というまとまった現金を貯めるには相当な時間を要する。さらに、経営者の視点で見ると、手元に現金を置いておくことで、不測の事態に備えることができる。多額の現金を一度に支払うことは、場合によってはリスクとなる可能性もある。
僕は、残クレのメリットを最大限に活用しているつもり。会社経営者なので車の購入費が業務上の経費として一部認められる。また、「妻を変えられないから、せめて車だけでも」と笑いながら、趣味性の高い車を頻繁に乗り換えることを楽しんでいる。このようなビジネスとライフスタイルに、残クレが合致している。カーリースや車のサブスクサービス(KINTOなど)も検討したものの、僕にとっては残クレの方が費用的に優れていると感じられた。