院長のコラム

「プリンシプル」を持ちたい私

白州次郎さんを想う。
以前このコラムで白州次郎さんのことを、山本耀司さんを取り上げたコラムで挙げたことがあった。簡単に言えば、耀司さんのほうがすごいでしょう、ということを言いたいがために。どちらがすごいのかは個人の判断や月日の判断に任せるとして、私自身は白州さんとは同時代を生きた訳ではなく、逆に耀司さんとは同時代を生きていて、その偉大さを実感しているし体感している。 その二人への認識の違いは、長嶋茂雄と王貞治、どちらが偉大なバッターかということにつきる。私が物心ついた時には長嶋さんは引退していて、王さんがハンクアーロンのホームラン数を抜いた瞬間はテレビで見ていた。こう説明すれば分かっていただけるだろう。

白州次郎著「プリンシプルのない日本」をこの長期休暇に読んだ。無知であること、知ったかぶりをすることがいかに危ういことか、自身の認識の浅はかさを痛感した。端々から、白州次郎という人の人間的な魅力を感じ、共感、共鳴した。視点が全くぶれていない、自分の立ち位置をしっかり把握している。それが決して独りよがりなものではなく、ワールドワイドである。まさにコスモポリタンである。
また、その作品は戦争直後から高度経済発展前夜あたりのことを書いたものだが、今この時代、世界恐慌で世界中が窮しているこの時代、日本などはGDPの何倍もの借金を背負って国自体が破綻しそうな現在、次郎さんの著書に学ぶことは多い。
時代は50年くらい前のことではあるが、今でも十二分通用する。というか、逆に50年も経って次郎さんの危惧が解決していないことに憤りを感じなければならない、と思う。
「プリンシプル」がしっかりしていれば、流行や風潮に関係なく残っていくし、人の心に届くことを改めて実感した。

しかし・・・、白州次郎さんのことを少しだけ深く知った今でも耀司さんはすごいのです、とにかくすごいのです。
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